外貨定期預金について
全国生放送でもあり、事前にお伝えすると多数の問い合わせなどによる混乱等が起きる可能性があったため、控えていたのですが、昨日のテレビでお話した内容を簡単にまとめました。
お金を増やすには、フィナンシャル・リテラシー(ファイナンシャル・リテラシー)を身に着けることが大切です。
フィナンシャルリテラシーとは資産についての知識・知恵です。
そして・・・「知らないことはコスト」です。 これはかなり大切なことです。
さて、最近、巷では人気の外貨預金ですが、どこを注意すべきでしょう。
「只今キャンペーン中 豪ドル年率20%」などと大きな文字の広告を見ることがあります。
これが本当であれば、夢の利回りであり、全財産を預けたくなります。
しかし、うまい話には裏があるものです。
小さい字で書かれたところが一番重要なところになります。
(小さい字で書かれたところは、金融機関側としては知られたくないところであって投資家としては一番知らなければいけないことろです)
まず、豪ドル年率20%というのは最初の1ヶ月だけで(1ヶ月という字は小さく書かれています)、残りの11ヶ月は約4.7%となり、一年後のトータルの利率は約6%となります。(数字は以下丸めて表記します)
1豪ドル100円とします。
丁度、手元に100万円があって1年間は使わないから1年間だけ増やして使おうとしていたとしまう。
100万円を1万豪ドルに両替してキャンペーン利率を使った利息は60000円となります。
そこから源泉分離課税20%を払うと48000円。
但し、これは手数料を無視した場合です。
手数料も小さい字で書いてあり、また記載内容が分かりにくいケースが多いので注意してください。
(現在、銀行に指導が入っているので、改善方向にはあるはずですがまだまだ分かりにくい表記があります。)
円から豪ドル、そして豪ドルから円に両替をすると手数料がかかります。
片道25000円、往復50000円かかりますので、実際の手取りは998000円と元本の100万円を割ってしまうことになります。
つまり、為替変動がない場合に、この一年の外貨定期預金のケースですと最初から元本割れが確定していることになります。
このシミュレーションはキャンペーン金利を適用していますが通常金利ですと4.7%となり、税引き前で利息47000円、税引き後37600円となりますので、987600円が手取りとなります。
なお、外貨預金には、為替変動リスクがありますが、それだけではなく見えにくいリスクですが、途中解約ができないリスクがあります。
原則的に解約できませんし、もしどうしても解約するとなると利子が付かないだけではなく解約手数料もかかる可能性があります。
ちなみに、外貨の普通預金金利が適用されたとした場合、現在の日本国内の銀行の豪ドルの普通預金の金利は0.75%程度しかありません。
(各行により異なる)
円安に大きく振れたから、利益確定をしようと思ってもできないのですし、急激に円高になりそうだから逃げておこうと思ってもできません。
また、為替差益は雑所得となり、為替損が出たとしても株などの利益と通算することはできませんし、損失を繰り越しもできません。
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ちなみに、豪ドルの政策金利(=公定歩合)つまり、中央銀行が銀行に貸し出す金利は6.25%です。
FXの場合ですと、豪ドル/円の金利は5.75%(=豪ドルの政策金利6.25%−円の政策金利0.5%)であって、毎日日割りで金利を受け取ることができます。
一日定期のようなものですから、いつでも解約可能です。
手数料は100円当たり数銭(外貨預金は2.5円)ですからその差は二桁あります。
外貨預金とFX(レバレッジ1倍)を比べてみるとその差の大きさに驚きますね。
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         ドル/円・クロス円
先週末に調整が終わり、円安トレンドがまた加速しています。
トレールで追いかけるのが一番良いと思います。